ダイエットを繰り返すことで痩せにくい体質になる

とある研究機関において、マウスを使って、減量とリバウンドを繰り返させた実験があります。一度目の減量には21日かかり、元の体重に戻るのに446日かかりました。

ところが、二度目の減量には46日もかかった上に、元の体重に戻るにはわずか14日しかかからなかったのです。ダイエットの繰り返しで痩せにくく太りやすい体質になるウエイト・サイクリング現象といわれるものです。

この現象を説明するうえで、注目を集めているのが、セットポイントという考え方です。入院を必要とするような肥満患者に対して、1日に200~600キロカロリーという超低カロリー食を用いたダイエット療法を行うことがあります。

このような治療で急激に体重を減少させた人と、減食などによって徐々に体重を落とした人とを比較した研究があります。対象は体重100㌔を超える肥満患者群。

どちらも治療によって体重を減らした後、太らないように生活習慣を指導して結果をみました。

それによると、治療では超低カロリー食群では体重が21,5㎏減少したのに対し、減食群では11,9㎏の減少でした。ところが1年後の経過を見ると、減食群が体重を維持していたのに比べて、超低カロリー食で減量した人たちには10,5㎏のリバウンドが見られたのです!

つまり、1年後の体重はどちらもほぼ同じになっていたのです。

セットポイントという考え方は、遺伝的にその人の体重をや脂肪量はある程度セットされていて、極端な増減を防御し一定に保とうとする仕組みがあるというものです。

ダイエットを繰り返すと

、この防御システムが強化されて、体重を素早く戻そうとするのです。一度ダイエットをすると、脂肪をつくる酵素の働きが2年間も上昇したままだったというデータもあります。

セットポイントの考え方によれば、中年太りといわれるような軽度から中程度の肥満は、セットポイントが多少高めにセットされているに過ぎないということになります。同じ遺伝子を持つ一卵性双生児の双子の肥満度を調べた結果、子供のころは70%が一致していました。ところが大人になると、肥満度の一致率はわずかに30%。遺伝情報は同じなのにです。実は肥満を生み出すのは、遺伝よりも生活環境の方がずっと大きな要因なのです。

肥満の原因は、遺伝が太りやすい体質を作り、環境が太らせるのだといえます。遺伝はどうにもなりませんが、環境は変えることができます。健康の為には肥満は避けなければなりません。体の中に太りやすいシステムをつくらないように上手にダイエットを行うことが必要です。そして一度ダイエットに成功したら、その体重を維持するように長期間努めること。

本当のダイエットは、減量に成功した時点からが勝負なのです。