女性の方が太りやすい
男性と女性の主な形態上の違いの一つは脂肪です。
女性の方がより豊かに脂肪を持っていて、
脂肪は体に起伏や突起をつくりながら筋肉の輪郭線を柔らかくし、
骨の突起を多少なりとも見えなくして表面をまろやかな感じにさせています。
普通の女性は平均で、
体重の18%から25%を脂肪が占めています。
その一方で男性は通常10%から15%でしかありません。
この違いは、女性が人生のある時期に自分の脂肪の蓄えで胎児、
そして乳飲み子を養わなければならないということからきています。
女性は将来の妊娠に備えて(とりわけ妊娠の後6ヶ月)、
脂肪の形でエネルギーを保存しておかなければならないのです。
女性の脂肪のつく部位は、気候によって異なるタイプに分かれているのです。
暑い国では、脂肪はより殿部についたり(アフリカの黒人女性)、
腰についたり(地中海地方の女性)、
へその周りについたり(アジアのある地方の女性)します。
暑さが烈しい時に脂肪が分厚いマントのように体全体を覆っていると、
体温調節がうまく効かなくなるのです。
暑い国ではこれを避けるために、脂肪の分布部位がこのような偏りを見せます。
反対に寒い国では、脂肪の分布はより均一で、
厳しい冬の間の優れた寒さよけとなっています。
しかし、脂肪の分布がどうあろうと、本来の役割は種の保存です。
脂肪は食糧不足の際に女性とその子供を生き延びようとさせるのです。
重要なことは、
健康な人はすべて体の正常な機能のために
ある程度の脂肪の蓄えが必要であると知ることなのです。
太るということに強迫観念的な恐れをもち、
逸脱的なまでの美の基準に自分を合わせようとするあまりに、
脂肪を全く無くしてしまうことはとても危険です。
事実として脂肪のほとんどが失われると、
ホルモン上の深刻な問題を引き起こし、
月経が止まり、排卵が一時的になくなって
暫定的な不妊症に陥るようなことにもなりかねません。
しかし、このような暫定的な不妊症は女性が自らの蓄えで養うことのできない、
生存を危うくさせるような子供の出産を避けられるため、
有効なことであるとも言えます。
EXERCICES POUR UNE BELLE LIGNE
Frederic DELAVIER